たつき諒『私が見た未来 完全版』-夢日記に描かれた予知夢の内容とは!?

『私が見た未来 完全版』読了。作者は、たつき諒先生。
センセーションを巻き起こした一冊なので、ご存じの方も多いと思われる。
一応経緯を書くと、1999年に出版された『私が見た未来』の表紙の一部に、「大災害は2011年3月」と書かれていて、それが2011年3月11日に起きた東日本大震災の日付とぴったり符号。それが予言として、テレビで取り上げられ、その後、たつき先生のなりすましが出たりで、一大騒動を巻き起す。
テレビは観てないが、この話を聞いて、がぜん『私が見た未来』に興味を惹かれた。しかし、当時はフリマアプリなどでも10万円超えとかの高値で取引されていて、とても手が出る値段ではなかった。
去年復刻されて、ここにきてやっと読むことができた。
本の内容は、たつき先生がみた色んな夢を夢日記につけていて、それが後に現実化していくというもの。
夢日記に書いたすべての夢が予知夢ではなくて、殆どは日常の延長的なものだけど、中に現実化するものが混じっているのだという。
その予知夢の内容には、正直驚愕します!!
ただ、マンガですべての予知夢が描かれるわけではないので、そこを期待すると肩透かしをくうかも。表紙の一枚絵に描いた予知夢の内容については、本書で先生の解説があります。
また解説では、近い将来に起こる可能性のある大災難について、時期や場所についての記述があって、非常に興味深く怖ろしい!!
帯にも書かれているので書いちゃいますが、本当の大災難は、「2025年7月」!!
予知夢とは全く関係ない漫画も数編同時収録されてて、賛否もあるよう。
個人的には、先生のオカルトチックなマンガが読めて、大満足。昔読んだマンガも混じっていて、懐かしく読ませてもらった。この騒動がなければ、読むこともなかっただろうな。
怖いマンガは好きだけど、霊感のない管理人には、嘘か真実かの見極めができない。だから、オカルト的なことを妄信しているわけではなくあくまでエンターテインメントとして楽しんでいる。
精神科医で心理学者でもあったユングによると、個人の経験による無意識の更にその下に、同じ種族や民族あるいは人類などに共通して伝えられている無意識の層があって、これを集合的無意識と言うのだそうな。経験から得たわけではないのに人類に普遍的に存在する心理的な型というか。
何度も厄災に遭ってきた人類の集合的無意識の中に、その忌まわしい記憶が刻まれていて、いわゆる予言者や預言者と呼ばれる人は、その集合的無意識の中にアクセスしやすい人なんじゃないかと思う。
意識と無意識の橋渡しの役目を担うのが「夢」。そして時に「夢」には重要なメッセージが隠れされている。
ちなみにユングも第一次世界大戦を白昼夢として見ている。
いたずらに皆が怖がれば、集合的無意識が現実を大災難へと導いてしまう、そんなこともあるのかもしれない。
この本は不安を煽るものとして描かれたものではなくて、たつき先生もあとがきで触れているように「予知」を「警告」として受け止めて、備えるためのものだと思う。
私のようにビビリの人は、エンターテインメントとして楽しみつつ。